May 07, 2006

夏休み特集  1 – カンクーンへのバケーション1

今週は日本の連休の時期に併せて、私もすこし早いバケーションを取ってまいりました。 そこでまた失敗談を含めて色々と面白い話がありますので、今回から数回にわたって、まじめな話題から離れて夏休みに関連した話題を中心に連載を続けていきたいと思います。

私の仕事のうち半分は日本のメーカー・お客さんと関連していますので、やはり日本の休暇時期、すなわち5月のゴールデンウィークやお盆に合わせて休暇をとるようにすれば、仕事への支障を最小限に抑えられます。 また、都合のよいことにゴールデンウィークの時期は、アメリカの春休み明けにあたります。 アメリカの春休みは通常3月から4月中旬まで続き、この時期はSpring breakと呼ばれておりどこもかなり混雑します。 この休み明けは、ホテルや飛行機も予約しやすく、かつ安いレートが取れるのです。 日ごろ出張の多い私は、休暇の際にはできるだけ移動が楽で時差もなく、なおかつ非日常の雰囲気を味わえるところを目的地として選ぶことにしています。 そうすると必然的に場所は限られてきます。 一番のお気に入りはカリブ海のスーパーリゾート、カンクーンです。 カンクーンに行くのは今年でもう5回目になります。

日本からカンクーンに行く場合は、経由地にで宿泊をせずにいくことは出来ますが、乗り継ぎ時間も合わせると20時間くらい掛かります。 それでも今年は9連休にすることも可能なせいか、日本から来ていると思しき人もたくさん見かけました。 米国からであれば、主要都市からは直行便が飛んでおり、私の住んでいるニュージャージーのニューアーク空港から4時間弱で行くことが出来ます。カンクーンの魅力は海の美しさと、ラテン系独特のおおらかかつフレンドリーで、な雰囲気を味わえることです。 ここで数日すごすだけで仕事上の悩みなど全て吹き飛んでしまいます。 

カンクーンの中でも、イスラムヘーレスという小さい島が特に好きです。 毎年カンクーンに行くと、一日はこの島に行くことにしています。 この島はカンクーンのホテル街から、高速船で30分程度で行くことが出来ます。 まず、この船の展望デッキからみた海の美しさがすばらしい!  透明度抜群です。 コバルトブルーというのはこういう色を言うのかと納得する海の色です。 イスラムヘーレスは南北に長細い島で、観光スポットは2つあります。 まず一つ目は、島の北端に位置するココビーチです。 ここはすばらしくきれいな白い砂浜が広大に広がっており遠浅で波も静かです。 カンクーンのホテルに隣接するビーチも初めて見た時は大変な感動でしたが、ココビーチの美しさと比較すると見劣りしてしまうくらいです。 ホテル街のビーチは、波がすこし強いせいもあり、海の中に入ってみると意外と透明ではないことに気づきます。 もう一つの観光スポットは、島の南西部にあるガラフォン国立公園です。 ここは、さんご礁の浅瀬になっており、シュノーケリングを一日のんびりと楽しむことが出来ます。 

カンクーンからイスラムヘーレスへは、複数の会社が高速船を運航しています。 ホテル街の近くには、El Embarcaderoをはじめとして数箇所の桟橋があり、観光客向けの高速船が往復US$15で一日5往復程度運行されています。 各ホテルからはR1のバス便で10分程度です。 コビーチ方面行きと、ガラフォン国立公園行きでボートが違いますので、間違えないようにしてください。 また、それ以外に、地元の人も多く利用する船便がプエルトフアレスという桟橋から30分に一本出ています。 こちらのほうは、往復US$6.5と格安です。 ただ、プエルトフアレスの桟橋はホテル街からやや離れており、R1のバスで30分程度掛かります。 桟橋付近で、いかにも船会社公認のチケット販売員のような格好をした客引きが、盛んにマリンスポーツのパッケージを売ろうとしていますが、興味のない人はこれらを無視したほうがいいでしょう。 現地で実際に見てから申し込めばいいのですから。 個人的には、ココビーチにいく場合は船の往復チケットのみ、ガラフォンにいく場合は往復チケットとシュノーケリングがセットになったパッケージ(確かUS25位だったと思います)で十分だと思います。 飲み物、食事も全てついたオールインクルーシブのパッケージ(確かUS$50位だったと思います)もあります。 手間は省けますが、現地のレストランで好きなものを注文したほうが安上がりです。

さて、今年も例年と同様に3泊4日の日程でカンクーンに行き、そのうち一日はココビーチでのんびりしてまいりました。 そのときの写真をフォトアルバムにアップロードいたしましたので是非ご覧ください。 今回は慣れてきたこともあり、いつもと違うルートで島に渡るべく(船代をケチろうとしたセコい考えもあったのですが)バスでプエルトフアレスの桟橋に向かいました。 ところが、私がとんでもない思い違いをしたために、珍道中となったのです。 この顛末は次回のブログで紹介します。

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April 16, 2006

マンハッタンの景色を楽しめるとっておきのスポット-コーヒーブレーク12

早いもので、おかげさまでこのブログも4月を持ちまして一周年記念を迎えることができました。 最近徐々に皆様からのアクセス数も上がってきており、ブログを続ける励みになっています。 今後ともNYの最前線からホットな情報を発信してまいりますので、引き続き皆さんのご愛顧をお願いいたします。 

さて、5月の連休も近づきつつあり、皆さんの中にも海外旅行の計画を立てられている方も多いのではないでしょうか? 今回のコーヒーブレークでは、マンハッタンの最も美しい景色を見たいという方に、とっておきの観光スポットを紹介いたします。 マンハッタンというのは中にいると雑然として汚い上に騒々しく、田舎志向の私にとっては毎日通勤しているとうんざりしくるものです。 ところが、通勤途上で外から見る景色は何回みても美しいのです。 特にハドソン川を隔ててニュージャージー州側からみたマンハッタンが最も美しいと思います。(あくまでもこれは個人的意見ですが。) 距離的にもちょうどよく、マンハッタン島全体を見渡すことが出来ます。 ここから見た夜景はまた格別の美しさです。 私は日本から出張でこられた方を出来るだけここに連れて行くようにしており、皆さん大変喜んでいただいています。

マンハッタンのミッドタウンから行く場合、バス(New Jersey Transit)を使うのが最も簡単で安全です。 このバスは、多くのNJ住民がマンハッタンへの通勤に使っています。 行きかたは以下の通りです。

1. まずはマンハッタン42丁目、8番街のPort Authority Bus Terminalへ。 

2. ターミナル2Fの出発ゲート212番からバスに乗車。 このゲートからは、路線番号128番、165番、166番といったバスが出発しており、どのバスに乗ってもOKです。 ゲート手前にチケットの自動販売機がありますが、ここでチケットは買わずに現金で支払うほうが簡単です。(片道2ドル10セントで高額紙幣は断られることもありますので、1ドル札の準備をお忘れなく。) 料金を乗るときに支払うか、降りるきに支払うかは時間帯や運転手によっても異なりますので、前の人を観察して同じようにすればいいでしょう。 

3. バスの中からマンハッタンの景色を見るためには、進行方向に向かって右側の窓際に席を取るようにしてください。 バスはラッシュ時には数分に一本、日中の乗客が少ない時間帯でも最低10分に一本は出ています。

4. バスはターミナルを出るとまずリンカーントンネルに入ります。 まずトンネルを抜けて大きなループを回るときに右手にドーンとマンハッタンの景色が見えます。 写真をとりたい人はカメラの準備をお忘れなく。
5. バスはその後、Boulevard Eastという丘にある道に入って、そこを北上します。 Boulevard Eastに入ってから1-2キロ北に走ったところで、再び右手にマンハッタンが見えてきます。 そこには道沿いに細長い公園(Hamilton Park)もあり、散歩している人や、ジョギングしている人、写真を撮っている人がぼちぼち見えてきます。

6. 右手に拡がる景色を見ながら、気に入ったところバスを降ります。 降りるときは頭上にある赤いボタンを押せば、次の停留所で止まってくれます。 停留所は100メートルおきくらいにありますので、全く慌てる必要はありません。
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7. マンハッタンの景色を十分に堪能した後、道の反対側に渡って帰りのバスを拾えばまたPort Authority Bus Terminalに戻ることが出来ます。 帰りはバスの行き先表示にすこしだけ注意し、New Yorkと書いてあることを確認してください。 ここから出るバスは90%以上Port Authority Bus Terminal に行きますが、ごくまれに他の場所にいくバスもあります。

公園から望むマンハッタンの風景と、バス停の写真をフォトアルバムに追加しておきましたのでそちらもご覧下さい。 Port Authorityからこの公園までの所要時間は片道約20分ですので、数時間もあればのんびりと散歩しながらマンハッタンの景色を堪能して往復することができます。 ひとつだけ注意点を。 Boulevard East沿いから西側の住宅街(マンハッタンと反対側)には決して入らないようにしてください。 このエリアは治安があまりよくなく、昼間でも安全とはいえません。 夜景を見にこられたい方は、あまり遅くならないように、また必ず複数の人数で行動するようにしてください。 Boulevard East沿いは夜8時ごろまではそこそこ人通りはありますが、やはりアメリカは何が起こっても不思議ではないという心構えで、自己責任でこられるようにしてください。

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April 09, 2006

交渉編第19回目 カンファレンスコールの活用法- Part 3

それでは、前回説明いたしましたカンファレンスコールの特徴を考慮した上で、今回は実際に英語でカンファレンスコールをおこなう際の注意点を実例も交えながら説明していきます。 カンファレンスコールといってもあくまでも会議方法のひとつなのですから、特別に身構える必要はありません。 前回説明しましたカンファレンスコールの弱点をいかにカバーするかを考えればいいのです。 それではポイントを一つ一つ見ていきましょう。

1. 事前準備をしっかりと
カンファレンスコールはその手軽さゆえに、通常の会議に比べてどうしても事前準備をおろそかにしてしまいがちです。 事前準備、すなわち参加者全員に日程と議事を確認したり、事前に目を通しておいてほしい資料をE-MAILで配布しておいたりという作業は、少なくとも通常の会議と同じ程度おこなうべきです。 慣れないうちは通常の会議以上に事前準備をしっかりしておいたほうがいいでしょう。 実際に他人が主催したカンファレンスコールに参加した際に一番ストレスを感じるのは、主催者が事前に十分な準備をしていなかったため、参加者全員が議事内容を理解するのに時間をとられるケースです。 特に日本人である我々は英語のハンディーがありますので、複雑な説明を電話でされると苦労します。 主催者側に事前準備が不足しているように感じたら、事前に遠慮なく質問したり資料を依頼したりするべきでしょう。

2. インタラクティブに
通常の会議と比べた場合、カンファレンスコールはどうしてもインタラクティブさ(双方向性)に欠けます。 ただ、この弱点は工夫次第でかなりカバーすることが出来ます。 まず勧めたいのは、通常の会議以上に相手との対話を増やすことを意識してください。 そのためには、相手の言ったことを正しく理解できたかどうか自分に自信がない場合、すかさず以下のような表現でパラフレーズして内容を確認することです。
“What you told us means that you would like to propose … Is my understanding correct ? “

逆に自分が発言した後で、相手がその内容を正しく理解してくれているか確認することも大切です。
“Is my explanation clear enough ? Do you have any question ?”

もうひとつのお勧めは、カンファレンスコール中に参加者全員がE-MAILへのアクセスを確保しておくことです。 これをおこなっておけば、会議中に追加資料、写真・図表等を皆さんにE-MAILし、その資料をもとにより詳しい説明をするということもできます。 

3.ネイティブスピーカーに同席してもらう
カンファレンスコールでは話し言葉(英語)でのコミュニケーションにほぼ100%頼りますので、やはり我々ノンネイティブスピーカーにはハンディーがあります。 可能であればネイティブスピーカーに同席してもらうのがベストです。 私の場合部下に同席してもらうこともよくあり、会議の最中に「いまなんていったの?」と聞い、部下に複雑な英語、早口な英語を平易な英語に通訳してもらうこともしばしばあります。 また、会議のあとでその部下に自分の理解が正しいかどうかもう一度確認することも出来ます。

読者の皆さんも英語でカンファレンスコールをおこなう場合、最初は緊張してぎこちなくなってしまうと思いますが、まずは習うより慣れろです。 今までに説明してきました注意点を頭にいれて、実際に10回程度カンファレンスコールをおこなってみれば、徐々に慣れてくるものです。 カンファレンスコールを活用することにより時間とコストの大幅な節約が出来るため、慣れれば実に便利な道具です。 皆さんも機会を見つけて積極的にカンファレンスコールを試みてください。

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April 02, 2006

交渉編第18回目 カンファレンスコールの活用法- Part 2

前回の記事ではカンファレンスコールの特徴を4点ほど説明いたしました。 この特徴を頭に入れれば、状況に応じてカンファレンスコールに向くケースか、あるいはカンファレンスコールには向かず直接相手と会って面談すべきケースかの判断が出来ます。 それでは一つ一つ見てみましょう。

<カンファレンスコールに向くケース>
1.会議に参加する人たちの大部分とお互いに顔見知りであるケース。 例えば、顔見知りのお客さんと納期の調整をおこなう場合には、お客さんの購買担当者とアシスタントの2名、当方も私とカスタマーサービスのアシスタントを入れて、合計4名程度でカンファレンスコールをおこなうことがしばしばあります。

2.比較的単純な案件を話し合うケース。 ロジカルな(感情が絡まない)テーマについて話し合うケース。 例えば比較的単純な件であったり、あるいは多少複雑であっても駆け引きや感情といったものが絡まない技術的な議論をする場合などは、事前準備をしっかりとしておけばカンファレンスコールで十分対応可能です。

3.ある会議の後におこなうフォローアップ会議のケース。 あるいは大きな会議の前に事前準備をおこなうケース。 以前“交渉をまとめる”の連載でフォローアップの重要性について話をいたしましたが、全員で合意した事項の進捗状況をフォローする場合にもカンファレンスコールは手軽におこなうことが出来て便利です。 また、定期的におこなう会議もカンファレンスコールで済ますことも出来ますが、この種の会議はよく考えてみると慣例的におこなっている重要でない会議である場合も多いのです。 カンファレンスコールといえども皆さんの貴重な時間を費やすわけですから、会議を開催する意味があるかを考えたほうがいい場合もよくあります。 

4.一刻を競うようなケース。 例えばクレームが発生してその場で直ちに応急処置が必要なケースです。 但し、当然のことながらカンファレンスコールだけで済ませるのではなく、可能な限り早い機会に相手を訪問して面談することが必要です。

<カンファレンスコールに向かないケース>
1.初めておこなう面接調査。 特に自分が売り込みに行く立場である場合。 皆さんも経験していると思いますが、初めて会う相手の場合人間は誰でもすこし警戒して「心の壁」を持ってしまいます。 面談とカンファレンスコールではこの「心の壁」の高さがかなり違います。 初めて商品を売り込みにいき、相手のビジネスポテンシャルを探るケースなどではカンファレンスコールではなかなか正確な情報は取れません。

2.相手の本音を探りながら駆け引きをおこなうケース。 例えば価格交渉や、クレーム求償など金銭的な利害が絡むような場合です。

カンファレンスコールは時間と費用が大幅に節約できるために、慣れてくると大変便利なものです。 特にアメリカ人は一般的に実務的ですので、TPOさえ間違えなければ相手が目上の方でもカンファレンスコールで済ませられる要件は済ませてしまっても失礼と感じることもあまり無いようです。 また、相手の言葉の調子で少なくとも相手が納得しているのか不満を持っているのか、相手の感情をある程度は察することも出来ます。 しかし、やはりTPOによって面談、カンファレンスコール、あるいはE-mailを中心とした文章によるコミュニケーションをうまく使い分けることが必要です。

余談になりますが、先週サンディエゴにあるHotel Del Coronadoで会議があり、そこに宿泊してまいりました。 このホテルはアメリカにしては歴史のあるホテルで、コロニアル調のなかなか趣のあるホテルです。 サービスは今ひとつですが、古い割には部屋もこぎれいで、窓から太平洋の眺めもすばらしかったです。 当ブログの左端にあるフォトアルバムに写真を追加しましたので是非御一見ください。

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March 26, 2006

交渉編第17回目 カンファレンスコールの活用法- Part 1

交渉編の最後に、交渉・会議の一手段としてのカンファレンスコールに関して、コツと注意事項を今回から数回にわたって説明してまいります。 ビジネスの場面において、アメリカのほうが日本よりも皆さんカンファレンスコールを活用されてきる機会が多いように感じます。 そのため、カンファレンスコールを行うために必要なインフラや設備類もアメリカのほうが充実しているようです。 

オフィスに設置されている電話には大体カンファレンスコール機能がついており、3箇所までであればこの機能を使って手軽にカンファレンスコールを出来ます。AT&T等の大手電話会社はカンファレンスコールの有料サービスを提供しています。 これは、参加者が事前に約束した時間にある番号に電話をかけ暗証番号をダイヤルして次々に会議に参加するというものです。 国土の広いアメリカではお客さんを訪問して会議を行う場合、ほとんどの場合飛行機を使って一日がかりとなります。 カンファレンスコールを活用すれば、出席者が物理的に会さなくても手軽に会議をおこなうことができるため、時間と費用を大きく節約できるのです。 こういった理由からアメリカでは昔からカンファレンスコールが頻繁に活用されているのでしょう。私も最初はなかなか要領がつかめず、戸惑うこともあり苦労しましたが、慣れてくると実に便利なものです。 

まずはじめに、カンファレンスコールの特徴を簡単に説明いたしましょう。 カンファレンスコールというのは当然のことながら電話を通じておこなうものですから、手軽におこなえる半面、通常の会議と比較すると以下のような制約があります。

1) 相応な英語コミュニケーション能力が必要
面と向かっておこなう会議であれば白板をつかったり、図表やグラフ・写真といったビジュアルエイドを簡単に利用できます。 しかし、カンファレンスコールではこれらの利用に制限がでてきます。 そのため、コミュニケーションのかなりの部分を言葉に頼らざるをえません。 特に相手の言っていることがわからないと話にならないので、高度なヒアリング能力と集中力が必要になってきます。

2) 相手の表情やしぐさを見ることが出来ない。
相手は電話の向こうにいますので当然のことながら相手を観察することが出来ません。 従って、相手の表情やしぐさを見ながらおこなう必要のある微妙な交渉にはむいていないということがわかります。

3) 相手から取れる情報量は一般的に通常の会議より少ない
やはり人間誰でも面と向かって話をしているほうが、より相手に情報を与えるものです。 また上記2)とも関連しますが、Non Verbalな部分もコミュニケーションにおいて重要な役割を果たしていることも、カンファレンスコールでの情報収集量を低める一因です。 こういった傾向は、相手との面識が少なければ少なくなるほど強まります。

4) 会議全体のコントロール(議事進行)が通常の会議よりも大変
普通の会議であれば司会者は全体の様子を見て、参加者全員の意見が聞けるように議事進行を行いますが、カンファレンスコールの場合相手の顔が見えませんので発言しない人は存在感がなくなってしまうことになります。 そういった点から、あまり大人数でおこなう会議には適していません。 私の経験から言って、カンファレンスコールに適しているのは、場所はせいぜい4箇所まで、一箇所あたりの人数は2-3人までです。 これ以上になるとコントローするのが難しくなってきます。

次回はこういった特徴を理解した上で、カンファレンスコールにおいては具体的にどのような点に注意していくことが必要かを説明してまいります。

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March 18, 2006

日本から届く難解な内容の英文Eメール -コーヒーブレーク11

先週私の部下の一人であるA君(アメリカ人)から「XXさん(私の名前)、ちょっと教えてほしいことがあるのですが。 東京本社のBさんから届いたこのE-MAILを読んでみてください。 いったいBさんは何を言いたいのでしょうか?」という質問を受けました。 以下のセンテンスがそのE-MAILの一部です。 

I appreciate your valuable information. We would like to have any additional information so that we will relieve our customers.

このセンテンスには英語表現上・文法上の問題点もありますが、今回その部分は除外して考えます。 また、読者の皆さんにはこれだけでは説明不足ですので、このE-MAILを受け取った背景をもう少し詳しく説明いたします。
 
1. A君が米国のメーカーから購入したある原料を日本に輸出しています。 この原料を日本で輸入した後、日本のお客さんに販売しているのが東京本社のBさんです。 Bさんはお客さんの1社から「この原料が生産中止になってしまうという噂を聞いた。 事実関係を調べてほしい。」という質問を受けました。
2. Bさん経由のこの依頼に対し、A君が米国のメーカーに問い合わせたところ、「この製品は日本だけでなく世界中に広く輸出されており、生産を中止する事実はない。」との情報を得ました。 A君はこの情報をすぐにBさんに伝えました。 
3. その情報に対して、Bさんからお礼の言葉とともにA君に送られてきたE-MAILの一部です。

日本人の英文E-MAILを毎日読んでいる私は、このE-MAILを見てすぐにBさんの意図を理解できました。 しかし、この表現はまさに日本流の「察し」の文化を色濃く反映したものであり、A君が首をかしげるのも無理ないと思わず苦笑してしまいました。 以下のように私が説明すると、A君も「ああ、そういうことか!」と感心していました。

B-san tried to say, “We will greatly appreciate if you provide us any additional information, say, how many customers the manufacturer has all over the world, or how much volume of the product they sell every year.” This kind of information will help B-san to explain the customers more specifically that this product is so important for the manufacturer that they would not discontinue it.

ちなみにA君はベルギー出身のアメリカ人(ベルギーとアメリカ両方の国籍を保有)です。 親の仕事の都合で日本に10年間ほど住んでいたこともあり、日本文化についてもかなりの知識があります。 日本語も簡単な会話であればそこそこ理解してくれます。 しかしここまであいまいな依頼ではさすがのA君も理解できないのでしょう。 私も日本との間に入って、毎日のように4人の部下(アメリカ人3人と中国人1人)からこのような質問を受けていますので、彼らの気持ちもよくわかります。

日本人同士であればこのように多少あいまいな依頼を受けても、相手のおかれている状況を察して相手の欲する返答をするのは当たり前のように考えられています。 これは、日本が単一民族国家であるがゆえに国民の大部分が類似の文化背景を持っており、昔からこういうことが自然におこなわれてきたためです。 こういった「察しの文化」はそのなかで生まれ育ったものにとっては心地よく有難いものですが、異文化コミュニケーションではよくトラブルの元になります。 表現あいまいで具体性に欠けるため、相手はこちらが何を言いたいのかよくわからなかったり、相手に誤解を与えてしまうということが起こるためです。 日本人である我々はこの点を常に肝に銘じる必要があります。 話し言葉・書き言葉にかかわらず、あいまいさを排除して、誤解の生じる余地がないよう表現に気をつけることが大切なのです。 

と、えらそうに書いておりますが、何を隠そう私もこういったトラブルを数限りなく自分で経験し痛い目にあってきています。 いつかこのブログで「E-mailを送るときには具体的にどんな点に気をつければよいのか?」というテーマを取り上げて、内容別に深く掘り下げてみたいと考えております。

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February 26, 2006

交渉編第16回目 交渉をまとめる-Part 3

会議の最後で合意事項およびアクションプランをまとめて、関連当事者に文書でレポートしても、それだけで物事がスムーズに進むことはまれです。 人間誰もが「のどもと過ぎれば熱さを忘れる」ということわざ通り、会議のあと少し時間がたてば約束したことも忘れがちなものです。 そこで会議後も定期的なフォロー、はっきりといえば「尻たたき」が必要となります。 この「尻たたき」もなかなか難しいものでやり方を間違えると皆さんの反感をかって後々仕事がやりにくくなりますので十分な配慮が必要です。 いくつか有効な手段をあげてみましょう。

1.率先垂範する
人を動かそうとしたらまずは自分が率先垂範すること、これが万国共通の真理であると私は考えています。 まずは自分のアクションプランを完了して皆さんに報告することです。 全ての項目を完了する必要はありません。 まずはすぐできること、あるいはボトルネックとなる項目(ある人が処理した後、その結果を受けて引き続き他の人が作業をするような項目)を迅速に処理してしまい、アクションプランリストに簡単な報告を書き加えて全員に連絡すると効果があります。 これはメンバーに対して宿題を思い出させると同時に、間接的に催促をする効果があります。 アクションプランリストのところで言い忘れましたが、リストにはこういった中間報告他を書き加えるためのメモ欄を設けておくとあとで便利です。 

2.アクションプランを実行するにあたって質問や問題がないかを聞く
「早くアクションプランを処理してください」と直接的に依頼するより、「アクションプランを処理するに当たって何か質問や問題点はありませんか?」と間接的に依頼したほうがより丁寧で、催促を受けた側も良い印象を持つことになります。 私はよく以下のような内容のE-MAILを送ります。

This e-mail is to follow up our last meeting on XXX. We wonder if you have any question or issue to follow up your action plans. Please feel free to contact us if we can be of any help for you. We will highly appreciate your cooperation.

こういったE-MAILを送った上で更に確認の電話をすれば、たいていの場合宿題を忘れかけていた相手もすぐに作業に取り掛かってくれると思います。 

それでは何回催促してもなかなか返事がもらえない場合にはどのような手段が有効でしょうか?

3.締め切りを明確にして再依頼する
まずはアクションプランのリストに記載されている期限を再度相手に伝え、締め切りを守ってくれるよう再依頼することです。 この作業が完了しないと次の作業に入れないという場合はなおさらです。 この場合、「締め切りまでに必ず処理してください」と単に催促するだけでは不十分であり、「いつまでに報告をいただけますか? 折り返しご返事ください。」という相手に返答を求める内容にすることが必要です。

4.本当に必要な項目かどうかもう一度考えてみる
会議の席上ではアクションプランに含めておいた項目でも、その後状況が変わってフォローする必要がなくなったり、あるいは後回しにしても差し支えないということはよくあるものです。 あるいは、他のメンバーが自分の担当ではなくとも親切心から何かのついでにその項目をフォローしてくれたりということもあるでしょう。 強硬な手段で催促をする前に、その項目が現時点で本当に必要なことなのか今一度考えてみましょう。 多くの人が関与するプロジェクトでは、万事70点主義でメリハリをつけて要領よく進めていくことも必要です。 

5.依頼相手の上司、他のメンバーにE-MAILのCCを送る
それでもだめな場合、催促する相手の上司に、あるいは他のミーティングメンバーにも催促メールのコピーを送るという手段もあります。 しかし、これはあくまでも上記のステップを経た上での最終手段、あるいは締め切りを守らない常習犯への対応方法とお考えください。 適切なプロセスを経ずにいきなりこれをやると相手の反感を買ってしまい、逆効果になりかねません。 逆に上記1-3のプロセスを経た上でこの最終手段を実行すれば、仮に相手が感情的になっても自信をもって相手を説得できるはずです。 あなたは会議の主催者として、そのプロジェクトをスケジュール通りに完了するため、淡々と全体のマネージメントをおこなっていけばいいのです。

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February 20, 2006

交渉編第15回目 交渉をまとめる-Part 2

先週はブログ更新をサボってしまいましてごめんなさい。 日本でもニュースになったと思いますが、NY地区はこの時期にしては記録的な大雪で私の住んでいる界隈も60センチ以上の積雪でした。 私の家のガレージには屋根がないため、車を雪の中から掘り出すだけで1時間以上時間がかかり、すっかり疲労困憊しました。 今年は例年になく暖かい冬で、今まで寒さも長続きしない中で突然この大雪でびっくりしました。 フォトアルバムに今回の大雪の写真を追加しましたのでご覧ください。 さて、前回に引き続き「2.次回のミーティング日時を設定」以降の検討を続けてまいりましょう。

2.次回のミーティング日時を設定
後のフォローを確実におこなうためのポイントを2点説明しておきます。 まず第一に、次回のミーティングが必要な場合はその場でスケジュールを決めてしまうことです。 後日あらためて皆のスケジュールを聞いて日程調整するのは結構手間のかかる作業です。 また、人間の心理としてたくさんの人がいる席上で約束したことは後で変更しにくいものです。 その場で決めてしまったほうが皆さんにとっての心理的優先順位が上がり、「やっぱり変更してほしい」という人も少なくなります。 次回のミーティングを開くタイミングとしては、アクションプランとして決めた項目を各々が無理なくフォローアップできる数週間後から1ヶ月後くらいが良いでしょう。 次回のミーティングを決めるに当たっては、以下のような表現を使うといいと思います。

I would like to propose to have the next meeting at (時間)on (日付) …
Is everyone available ?
Could you complete each one of your own action plan before the next meeting ?

また、最初のミーティングにおいてメンバー間で十分な面識ができれば、2回目の会議は必ずしも物理的に集まる必要はなく、電話会議・ビデオ会議でも事足ります。 最近米国の会社ではビデオ会議設備を導入しているところも多くなってきました。 電話会議やビデオ会議の活用法および注意事項についてはまた別の機会に説明したいと思います。 次回のミーティングスケジュールを決める際には、先週説明いたしました合意事項およびアクションプランを次回のミーティングまでにきちんとフォローしてくれるよう、皆さんからコミットメントを取っておくことも重要です。

二番目のポイントとしては、次の会議開催の1週間くらい前に必ずメンバー全員に対してスケジュールの再確認とアクションプランのフォロー進捗状況を確認することが重要です。 この確認作業にはE-MAILを使い、各々のメンバーから返事をもらうようにしておくと良いでしょう。 世の中には色々と言い訳をして決めたことをやらない人々や、悪気はなくても忙しくてついつい後回しにしているうちに忘れてしまう人もよくいるものです。 会議というのは多くの人の貴重な時間を費やすわけですから、その時間に見合う価値がなければなりません。 出席者全員が出席したことに価値を感じられるのが良い会議であり、良い会議を開催するのは常に主催者の責任です。 まじめにアクションプランをフォローしてくれている人たちが迷惑をこうむることが無いよう十分な配慮が必要です。

3. 関連当事者に文書でレポート
私は前回のブログで説明いたしましたアクションプランの一覧表ファイルと、次回のミーティング開催連絡を含めて、ミーティングに参加した皆さんと関連当事者の方にE-MAILでレポートすることにしています。 もう既にミーティングに参加した皆さんとは顔見知りになっていますので、要点だけを明記した簡単なメールで良いでしょう。以下にE-MAILの文例を挙げておきます。 

Subject : recap of our meeting on OOOO at XXXX

Dear XXXX

It was very nice to have the detailed discussion about XXXX with you. Thank you very much for your time.

1. Attached file summarizes the action items we have agreed in the meeting. Please advise if I miss any point.
2. We will have the next meeting as follows. Please do not forget to mark your calendar.
Date :
Location :
Attendants :

Please complete all the action items listed in the attached file prior to the next meeting.

Very much looking forward to seeing you on XXX.

Best regards.

アメリカ人はミーティングの内容を要約して皆さんに連絡する場合によくrecapという単語を使っています。 ちなみに、Recapはrecapitulateもしくはrecapitulationの略語です。

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February 05, 2006

交渉編第14回目 交渉をまとめる-Part 1

今回からは「交渉をまとめる」と題して、交渉終盤においてどのような点に留意すべきかについて数回にわたって説明してまいります。 結論から言えば、以下が重要なポイントです。

1.合意事項およびアクションプランの確認
2.次回のミーティング日時を設定
3.関連当事者に文書でレポート
4.定期的フォローアップ

1.合意事項及びアクションプランの確認
交渉をまとめる際に最も重要なのは、お互いに合意点を確認して誰が、いつまでに、何をすべきか誰が見ても理解できるように各論を明確にしておくことです。 人間は誰でも自分勝手なものであり、合意事項を紙に書いて目に見える形で残しておかないと自分に都合の良いように解釈してしまう性質があります。 特に言葉やビジネス文化の異なる相手との交渉ではなおさらです。 後になって「いや、私の理解はそれと違って…」などという輩がでてこないように、できるだけ具体的にWho, When, Whatを明確にすることが必要です。 そうしないと、せっかくあるプロジェクトを進めて行こうと総論で合意したにもかかわらず会議に参加した人たちがそれぞれ勝手な解釈をして具体的な作業が進まないことになってしまいます。 

我々商社に勤める人間にとっては、合意というのはあくまでも物事のスタートであり、合意事項を元に関連当事者(多くの場合サプライアーと顧客になりますが)の尻をたたきながら結果を出していかなければならないのです。 単なる合意だけでは何の意味もありません。

それでは、具体的にどのようにまとめるのがいいのでしょうか? 私は重要な会議においては、事前に訪問先の方に必ず「会議室には白板、もしくはマジックで書き込んでカレンダーのように一枚一枚めくることの出来る大型のメモ用紙を準備しておいてください。」とお願いをしておきます。 白板上にマジックペンで書いた内容を、A4もしくはレターサイズの紙にプリントアウトできるコピー機能付き白板があればベストです。(ちなみに日本語のマジックペンは英語ではMarker penと呼ばれています。) まずは、以下のような表現で会議参加者に会議のまとめに入ることを伝えます。

I think we have covered all the items in our agenda. Do you have anything else ?
Now, I would like to confirm what we have agreed. Then, let’s itemize our action plan.

こう言って皆の注意をひきつけておき、用意されている白板もしくはメモ用紙上に 1) Action plan 2) Who 3) Scheduleの3項目を一覧表にまとめていくのです。 比較的手の空いている人がいれば、これをその場で表にタイプアップしてもらってしまうのが良いでしょう。 日本からお客さんがこられる場合、私が勤める会社の日本本社から海外営業担当者が同行する場合も多く、そういう場合はその海外営業担当者に頼んでその場でタイプアップしてもらうことが多いです。 また、米国のお客さんの中にも付き合いが長くなってくれると私のこのやり方を心得てくださって、私との会議には若手社員を同席させその人にこの作業をさせてしまう方もおられます。 大変ありがたいことです。

一通り項目を列挙し終わったら会議に参加した皆さんに再度以下のように確認することを必ず忘れないようにしてください。

Did I cover everything ? Does everybody here agree to those action plans ?

世の中には後になって「そんなことには同意したつもりはない」とか「そういうつもりで言ったわけではない。」とか言う人もしばしばいます。 特に文化が異なり、言語上の違いがある相手との間の会議ではなおさらそういったトラブルが起こる余地が増えます。 この確認はそういう人を封じ込める絶大な効果があります。 更に私の場合こういった要注意人物が会議に同席している場合にはその人名指しで確認することもあります。 すこし意地悪なやり方ですが。 また、幸いにもマネージメントレベルの方が会議に参加されている場合は、全員の前でその方の同意を得られれば、あとで物事を進めやすくなります。

次回は引き続き「2.次回のミーティング日時を設定」以降を検討していきます。

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January 29, 2006

米国の医療事情 Part 2 -コーヒーブレーク10

予告どおりまずはチューブの話の顛末から始めましょう。 局所麻酔と強い鎮痛剤のおかげで、手術後2日間はほとんど痛みを感じることはありませんでした。 鎮痛剤がよほど強いものであったらしく、一日中寝たり起きたりで起きていても頭がボーっとした状態が続きました。 2日後に局所麻酔薬もなくなり、いよいよチューブ(何と膝には2本も入れてあるのです!!)を抜かなければならない運命の瞬間がやってまいりました。 恐る恐る包帯を取って手術後初めてナマ膝を見ると、まだ膝は若干腫れて赤くなっており、内視鏡を入れた傷跡も生々しく残っています。 私などもうこれだけでビビッてしまいましたが、看護婦さんからは「48時間後には速やかにチューブを抜いてください。 そうしないと傷口から細菌が入る恐れがあります。」と脅されていたので、意を決して抜きましたよ、仕方なく。 

恐れていた痛みは全くなかったのですが、チューブを抜いた傷口から血と麻酔液と思われるにごった赤い液体がピューっと噴き出し.... これ以上は恐ろしくて書くに耐えません。 なんとチューブは10センチ以上もひざの内部に入っているのです チューブは2本入っていたのでこの恐ろしい行為を2回繰り返さなければなりませんでした。  気を取り直して何とかガーゼできれいに拭いて、使い捨ての消毒液を含ませた綿棒で傷口を消毒し、ガーゼと包帯を巻いて作業を終えることが出来ました。 この出来事以来怖いことはなくなったといっても過言ではありません。

さて、一週間後ドクターのオフィスに行き、抜糸と検査を受けて本格的なスパルタ的リハビリが始まります。 事前にドクターからはリハビリセンターの紹介を受け、アポを取ってありました。 センターに行って受付を済ますと、いかにも「毎日欠かさずトレーニングをやっています。」という雰囲気の理学療法士の先生が出てきました。 診察用のベッドに座ると、この先生は包帯をはずして膝を観察したりすこし曲げたりした後、「ベッド(診察用)に両手を突いて立ってみてください」とのこと。 恐る恐る立ちあがるといきなり「それではスクワットをやってみてください。 よく目まいを起こして倒れる人がいますから、両手でしっかり体を支えるように。」とのこと。 一瞬我が耳を疑って「え、今なんて言いました? スクワットって、あの膝を曲げたり伸ばしたりするスクワットのことですか?!」と聞き返してしまいましたよ! 膝はまだ腫れがかなり残っており、立ち上がることは出来てもスクワットなんかやったら傷口が張り裂けそうです。 スクワットをやる前から目まいを感じてしまいました。 それでも息を詰めて歯を食いしばってなんとか90度近くまでは曲げることができたのです。 これ以外にも腹ばいにさせられて足首に重りをつけて強制的に膝を伸ばす訓練をしたり(実に痛い)、色々と皆さんに話したいことはあるのですが、紙面の都合で全て紹介できないのが残念です。 一番強烈なスクワット事件だけ書くことにします。 興味ある方はE-MAILでお問い合わせください。 

話が前後しますが、最後に「2.徹底的な分業」に関して説明します。 これは、以下のような診断から手術終了までの流れを見てもらうとわかりやすいと思います。
1)保険会社のネットワークから、家の近くの整形外科医を選んでアポイントメントを取る。 この先生が主治医となる。
2)基本的な検査と診断を受けたあと、主治医から近くの大学病院を紹介されMRIで精密検査を受ける。
3)再度主治医を訪問しMRIの検査結果について説明を受ける。 手術を決定して手術センターを予約。
4)主治医より、鎮痛剤の処方をもらい薬局で購入。 同時に松葉杖をレンタルする。(レンタル費用が確か$10位と妙に安かったのを覚えています)
5)手術は主治医の先生が提携している手術センターで受ける。 手術当日には、このセンターと提携している麻酔医と主治医がチームとなり手術をおこなう。

こういったように、細かく分業されており主治医に提出する手術承諾書から手術センター・麻酔医に提出する書類等、多くの書類に目を通しサインしなければなりません。 書類はどれも頭が痛くなるほど細かい英語で書かれており、契約書形式のものが多く大変でした。 更に、費用の請求もそれぞれから一件一件来るのでこれも結構手間になります。 私の場合労災扱いであったため、一旦労災認定を受けたあとは労災を取り扱う保険会社が全ての費用支払い窓口となって処理してくれたので助かりました。(ただ、労災認定を受けるまでにまたたくさんの書類に記入しなければならなくて大変だったのですが。) これが通常の健康保険で処理していたら大変だったでしょう。 米国では健康保険は老齢者向け、低所得者層向けを除いて全て民間企業が扱っているため、ドクターの選択から受けられる治療の種類、使える薬の銘柄まで細かく決められてるのです。

このように恐ろしい経験や色々な苦労をしたのですが、今思うといい経験になりました。 膝のほうはスキーを出来るようになるまで回復し、この事件以来度胸がついて物事に動じなくなったのが一番の収穫です。

さて、来週からは本題に戻り「交渉をまとめる」と題して、交渉終盤における注意点を説明してまいります。

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