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June 18, 2005

コーヒーブレーク 3 – 実践で必要な英語コミュニケーション能力と英語検定試験のギャップ

このブログの第一回目の記事「交渉・プレゼン能力の不足で損をする日本人」において、日本人の英語によるビジネスコミュニケーション能力が不足していることが原因で、海外に進出している日本の企業あるいは日本の国自体が大変な損をしているという主旨の話を致しました。 今回はこの課題を掘り下げて議論してみたいと思います。

まず最前線に勤務する我々の目から見て、実践で必要とされる英語コミュニケーション能力とは具体的にはどのようなものなのでしょうか? 特に重要なものは以下の3点です。

1.自分の意見をロジカルにかつ的確に相手に伝えることができる。
2.主張すべき事を主張し、安易な妥協なく相手と合意に至ることができる。
3.自分の仕事に関連する大量の英文を短時間の内に読み内容を理解できる。 

私の場合お客さんは90%以上米国企業であり、4人いる部下はすべて米国人です。 従いまして、まずお客さんに新しい商品を紹介する、いざ成約という段では価格・取引条件等折衝するということは毎日行っています。 時にはクレームが発生し、その補償について議論しなければならないといったこともあります。 一方社内では日々発生する問題について部下から相談を受け、限られた時間内でそれに対する的確な判断を下して行かなければなりません。 その上で部下に指示を与え仕事を遂行していくわけです。 上記1,2の能力はこういった業務を進めて行く上で当然不可欠な要素です。 

また、部下から提出されるレポート類から始まって、各種カタログ・取引先のアニュアルレポート、市場調査会社のレポート類等、膨大な数の文書に目を通し内容を大まかに理解する必要があります。 これには当然の事ながら上記3の能力が要求されます。 更に、取引先と各種契約(代理店契約書、売買契約書、預託契約書等)を結ぶ事も良くあります。 そういう場合、限られた時間内に内容を100%理解し、時には弁護士を交えて相手とやりとりをしながら最終合意に至るというプロセスです。 この場合上記1-3のすべての能力が、高度なレベルで必要となってきます。 最前線にいる社員にこれらの能力が不足していればそれは即、会社に不利益をもたらすことになります。

さて、こうやって我々が日々行っている業務内容を具体的に列挙してみますと、TOEIC・英検等日本で行われている英語コミュニケーション能力検定試験との間に膨大なギャップが存在することに改めて気がつきます。 TOEICの問題点についてはNHKラジオビジネス英会話の講師をつとめられたこともある日向先生が、以下のブログ「ビジネス英語雑記帳」の中で事実に基づいた鋭い分析をされています。

http://tottocobkhinata.cocolog-nifty.com/bizieizakkicho/2005/05/toeic_ce4b.html

多くの日本企業がいまだに海外勤務者の条件として「TOEIC XXX点以上」という基準を掲げ、それによって社員はTOEIC対策に奔走しています。 それでは全く不十分であるということにほとんどの人は気づいていません。 TOEICにせよ英検にせよ、上記3の能力のほんの一部しか測定していない上、その測定方法には色々と問題点があるのです。 私自身、約5年前にTOEICで高得点を取りましたが、実務レベルで求められる英語コミュニケーション能力にはほど遠いというのが実感です。 逆にTOEICで高得点さえとれば英語コミュニケーションの上級者だと認められるというのが今の日本の実態でしょう。 これらの実態は、今後日本企業が更にボーダーレス化・現地化を進めていかなければならない状況の中で誠に憂慮するべきことです。 

上記1-3のスキルはどのようにのばしていけばよいのかということに関しては、今後のまた別の機会に述べていきたいと思います。 

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Comments

はじめまして。5月初め頃に日向さんのブログから来て、いつも拝見しています。ちょうどプレゼン資料の英訳をやっていた頃だったのですが、あまりにイロジカルなスライドの作りにクラクラしていたとき、ここでお書きになっているロジックの話を読んで「そうそうそうなのよ!」と思っておりました。
以前勤めていた会社でもTOEICを全員に受験させようとする動きがありましたが、何に限らず受験はある種テクニック次第のところもありますし、高得点=英語を使える人、ではないのでムダだなあ、といつも思っていました。ちなみに私は、英国の大学卒なのでという理由でTOEIC受験はお断りしましたよ。(あ、理由になってませんか。)

Posted by: favourite | June 19, 2005 at 04:54 AM

Favourite様

コメント有り難うございます。 私も日向先生のブログ経由でFavourite様のブログをよく拝見しております。 我々素人も参考にさせて頂けるよう、もう少し英語ネタを増やしてプロの技をおすそわけ頂けませんでしょうか?(笑)

私も仕事柄、日本から出張で来られる方のプレゼン資料に目をとおすことがあります。 皆さん一生懸命資料を作られているにもかかわらず、ロジックが考慮されていない、あるいは一枚のスライドにあまりに多くの情報を入れているため、わかりにくくなってしまっているものがほとんどです。 それを直して差し上げようとすると、不愉快な顔をされる方がたくさんおられます。 そういった方は、日本の社内では”国際派”と認められている方々であり、TOEIC上級者である場合も多いのです。

少しでも多くの方がTOEIC偏重主義の問題点に気づき、実践で使える英語コミュニケーションスキルの習得に向かうようにこのブログから情報発信続けていきたいと思います。

Edamameより

Posted by: edamame | June 19, 2005 at 08:20 AM

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